Webライターで書き続けることを人に勧められない件について

「ライター」というと、大抵の人は新聞記者のような職業を思い浮かべるようです。
厳密にいえば「記者」と「ライター」は違う気もしますが、細かいことは置いておきましょう。

さて、現在のライター業。種類ごとに人数をカウントしたら、一番多いものはなんでしょうか。

おそらく、webライターに軍配が上がります。
コピーライター、シナリオライター、HPやブログのバックアップライター……
さまざまありますが、Web上で執筆している人なら「Webライター」とひとくくりにして差し支えないでしょう。そういう意味では私もWebライターなのですね。
呼び方はたくさんあれど、ライターの仕事の根本は結局のところ同じです。

ターゲット(だれ)に、コンテンツ(なに)を、どう届けるか。

届ける人に最適な文字を書く。それがライターの仕事です。

Webライターは、今一番注目のライター業です。
副業や主婦のバイト感覚で始められる手軽さが、人気の理由でしょう。

Webライターの多くは、SEO記事を書く人です。
SEO記事はざっくりいうと「たくさん見てもらうためのネット記事」ですね。
集客力のあるテーマを扱った情報記事であることが多いです。

このSEO記事、Webライターによって日々大量生産されています。
私も駆け出しの頃からそれなりの数を書いてきました。

流行りの情報や、新商品レビュー、話題性のある最新ニュース。
あなたが毎日見ている検索結果も、SEO記事でしょう。

最新ニュースやトレンドに上がるようなものは、恐ろしい勢いで読まれ、すぐに読まれなくなります。
その瞬発力こそが目的の記事なので、それでいいといえばいいのですが……
その賞味期限(読まれる期間)は、もってせいぜい1か月。早ければ1日程度。
諸行無常を語るにしても、書き手として虚しさがつのりませんか?

最新ニュースでなくとも、Web記事という特性上、サイトが閉鎖すると記事が丸ごとなくなります。どれほどに熱心に書いた記事も、はかなく消えてなくなります。
運悪く新コロナ騒動で運営が迷い、オウンドメディアから手を引く企業が多発したのは記憶に新しいです。私も2社ほど巻き添えを食いました。
クライアント様のお気持ちも察して余りあるところですが、私自身も悲しかったですね。

そのうちのひとつは、飼い鳥の飼育についてマニアックに語るサイトでした。鳥好きとしては、かなり気合いを入れて書いていたものです。
年単位で重ねてきた記事が、一瞬で消えてしまう。そんな悲劇も十分に起こりうるのがネットの記事です。

そんなこんなで、合っている方には合っているのでしょうが、私には向きませんでした。
自分の書いたものは、なるべく長いスパンで誰かの役に立って欲しい。
サクサク作ってすぐに読まれなくなる大量生産記事より、一冊でも誰かの本棚に並べてもらえるような魂のこもったものを書きたい。
そう思ったとき、いただいていたお仕事で一番それに近かったのが「代筆」でした。

そうだ、影の執筆者を目指そう

そう思った瞬間が、シャドーライターの誕生でした。

ブログやコラムなど、ネットの代筆からはじまり、書籍、個人の手紙まで。
シナリオ(原作)などは代筆ではないものの、表舞台に出ないものはやはり影筆(シャドーライティング)の部類に入ると思います。

誰かの代わりに文字を書く、というのは不思議な仕事です。
自分ひとりで生きていては自分だけの考えしかないところを、著者様に出会い、思いに触れ、代弁する機会を持つわけです。

それは自分の中に世界がひとつ増えるような感覚でした。

代筆の中でも「本を作る」というのは、とてもやり甲斐のある作業です。
書籍という形になれば、文字は手元に残ります。著者様は喜び、私もうれしい。

ブックライター(ゴーストライター)をつまらない存在だと感じる方もいるようですが、私は夢のある職業だと思っています。
目指すライター業の選択肢は色々あります。

Webライターもいいですが、経験を積んだ後は少し立ち止まって、自分がどんなライターになりたいのか、考えてみるといいかもしれません。

「おい、このブログ文字ばっかりだよ……」と、読者のみなさまがウンザリしはじめた頃だと思うので、自分語りはこの辺にして、唐突閉会宣言させていただきます。

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