代筆するライターの筆致には個性が必要?

このブログを見た方が「なんだコイツは、ふざけたやつだな」と思われることを予想して、自衛の措置を取らせていただきます。

シャドーライターの筆致(ひっち)やトーンは、著者によって変わります。

シャドーライターは、文字通り「」の存在です。
文章の筆致は当然、著者本人に影響されます。
極端に言えば、ライターの個性は必要ありません。

文章はその人の内面や外面までもを表すものです。
代筆するには年齢や性別だけでなく、本人として不自然でない筆致を選択する必要があります(必要とあらば、ご本人とは違うイメージの筆致も選択しますが……)。
いうなれば、カメレオン。本人に擬態する勢いで、違和感のない筆致を身にまとうわけです。

というわけで、誤解しないでください。
私のブログがこんなだからといって、書くものすべてがこんな感じではありません。
ちゃんと真面目なものも書きますし、場合によってはもっと不真面目なものもあります。

著者さまのイメージに合った、最適な文章を書く。
そして「これこそまさに私が(俺が)書いたものだ!」と思っていただく。
シャドーライターが目指すのは、そんな文章です。

さて、筆致についてもう少しだけ語りたいと思います。

筆致は、筆跡(ひっせき)とは違います。
筆跡は「筆のあとや書かれた文字。また、その文字の有様や書きぶり」などを表す言葉です。
筆致は「文章や絵などの書きぶり。筆の趣」にプラスして、「文字や文章の印象から、感覚的に察せられる趣き」までをも表しています。
ようするに、筆致はどんな人が書いたか、文章から感覚的に分かるワビサビみたいなやつです(ざっくりしすぎた説明)。

たとえば、このふたつの文章を見てみましょう。

Aモニタリング業務を計測的に支援していくには、どのように優先順位をつけるかを考えねばならず、またどこまでの支援を実施するかについても明確にしなくてはならない。

Bスマホの画面を見ていると、つい楽しくて時間を忘れてしまうので、長期休みの間は生活のリズムを崩さないよう、自分で自分をしっかりコントロールしていきたいです。

仕事のできる会社役員が書いたのはどちらの文章でしょう。
答えはAですね。

女子中学生が書いた文章は、と聞かれればBと答えるでしょう。

こんなの内容で分かるよ、と言われればその通りです。
ではAとBのふたりに同じドキュメンタリー番組を見てもらい、一言感想をもらいましょう。

Aシロクマ、いわゆるホッキョクグマは地上最大の肉食動物だが、地球温暖化や北極圏の環境悪化などの影響を受け、個体数が減っているそうだ。食料不足や母乳に含まれる脂肪分の不足で小グマも満足に育たないらしい。私たち人間の責任は重いと感じた。

B地球温暖化で北極の氷が溶けて、シロクマが絶滅の危機に瀕している、とテレビでやっているのを見ました。溶けている氷の上には、赤ちゃんのシロクマもいました。エサが取れなくてお母さんの母乳も出なくなってしまい、お腹を空かせている姿がとてもかわいそうでした。

どちらも「シロクマが絶滅の危機にあるのを知って、同じように憂いている」文章です。

どちらが中学生の書いた文章ですか? と聞かれれば、9割以上の方がBと答えるでしょう。
これが筆致の違いです。

こんな風に、シャドーライターは著者に合わせて筆致を変えます。
その人にぴったりなイメージで、ターゲットが好む文章を選択し、伝えたいことを書く。

誰に何を伝えたいかによって文章は変わってきますが、その内容と著者にそぐわない筆致を選択することはありません。

シャドーライター、筆致の作法でした。

(※なお、シロクマは減っていません。むしろ増えています)

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